シャーマンコレクションとは
シャーマンコレクションには、多くの日本の画家から、購入したり譲られたりした約500点の絵画やデッサンなどがあります。きわめて貴重なフジタの銅版画原版は、画家からシャーマンに特別に譲られたものです。そのほか、フジタから送られた数十点の書簡をはじめ、戦後の芸術家との交流を留めた膨大な資料、文化人、著名人、皇室関係者との交遊の情景を収めた2万点近くのドキュメント写真などがあります。コレクションは、シャーマンが大きな信頼を寄せた一人の実業家に遺贈されました。
現在コレクションは北海道伊達市(NPO法人噴火湾アートビレッジ)に寄託されています。その全容はまだ一般にはほとんど公開されておらず、今後の調査、研究、公開が待たれる幻のコレクションとなっています。
シャーマンコレクションの素晴らしさ
多くの美術コレクションは、コレクターが画商などを通して買い集めたものです。シャーマンは、専門大学で美術教育を受けた画家でありデザイナーでした。日本美術についての知識もあり、審美眼ももっていました。
シャーマンが日本で集めた美術品は、画商から買ったものではなく、芸術家たちとの深い交流の中で、自ら気に入って買い求めたものばかりです。また、芸術家が親愛の情をもってシャーマンに贈ったものも多数あります。
シャーマンコレクションの絵画作品には、大作は多くありませんが、小品であってもいずれもきわめて質が高く、珠玉の逸品ばかりです。 フジタに関連したものでは、世界中でも残存例がない本版画の原版の ほか、らっかん集、壁紙イラストレーション、書簡など珍しい資料がたくさんあります。藤田愛用の眼鏡も、ここにしか残っておらず、世界的な写真家・米田知子氏は、これをモチーフにした作品を撮影しました。