独自の審美眼と人生があるコレクション
一般的な多くの美術コレクションは、コレクターが画商などを通して買い集めたものです。シャーマンコレクションはそれらとは異なるものです。コレクションには、コレクターの“目”と人生が生きているからです。
シャーマンは、ボストン美術館学校などいくつもの美術学校で学んだ彫刻家・画家であり、デザイナーでした。日本美術についての知識もあり、審美眼ももっていました。
シャーマンが日本で集めた美術品は、画商から買ったものではなく、美術家たちとの深い交流の中で、自ら気に入って買い求めたものです。また、美術家が親愛の情をもってシャーマンに贈ったものも多数あります。
藤田に関連したものでは、世界中でも残存例がない銅版画の原版のほか、らっかん集、壁紙イラストレーション、書簡、シャーマン撮影の写真など珍しい資料がたくさんあります。藤田愛用の眼鏡も、ここにしか残っておらず、世界的な写真家・米田知子氏は、これをモチーフにした作品を撮影しました。